2026.05.21
居抜きの達人 第2弾|法規制とスケジュールの壁を越えた店舗誘致

今回は、関係各社様との「柔軟なスキーム変更」と「徹底した条件調整」によって乗り越え、双方にとって大きなシナジーを生み出した店舗誘致の事例をご紹介します。
1. プロジェクトの背景と直面した「法規制の壁」
本プロジェクトは、大手ホームセンターを運営されるコーナン商事様より、「敷地内駐車場の一部の有効活用として、借地でのテナント誘致(リーシング)を行いたい」というご依頼をいただいたことからスタートしました。
市場調査を経て、食品スーパー「たこ一(たこいち)」を運営されるヤマタ様へご提案したところ、出店に向けて立地を高く評価していただくことができました。しかし、具体的な計画を進めるなかで最初の大きな課題に直面します。
「用途地域」および「大店立地法」の制限により、テナント様が要望する敷地設定(新築スキーム)での出店が困難であることが判明したのです。
2. 計画を前進させた「逆提案」と居抜きへの転換
借地での新築プランが暗礁に乗り上げた状況下で、コーナン様より「逆提案」を頂戴しました。
それは、「自店舗の改装タイミングに合わせ、園芸館として利用されている別館を『居抜き』で借りてもらえないか」というものでした。この既存建物を活用するスキームへの切り替えにより、計画は動き出しました。
3. 立ちはだかる2つの課題と解決へのアプローチ
方向性は定まりましたが、実現に向けては非常にシビアな条件調整が必要でした。当社は両社の間に立ち、大きく分けて以下の2つの課題解決に取り組みました。
スケジュールの壁:柔軟な対応による工期短縮
コーナン様は、園芸館の商品を本館に移す都合上、「本館の改装」と「物件の引渡し」の時期を合わせる必要がありました。さらに、売上が見込まれる大型連休(ゴールデンウィークなど)に工事がかかることを避けたいという点、また園芸館を空けたままでは事業性が損なわれるため、大型連休前に改装を終えたいという強いニーズをお持ちでした。
このニーズを満たすためには、テナントであるヤマタ様に、次の大型連休まで工事中家賃を負担していただくか、タイトなスケジュールで工事を終えていただく必要がありました。交渉の結果、ヤマタ様にご協力をいただき、工期を大幅に短縮。わずか3ヶ月でオープンを迎えることができました。
物理的スペースの壁:設備配置の工夫と機能確保
別館の建物面積は、ヤマタ様が希望されていた当初の計画よりも大幅に小さく、食品スーパーを運営・バックヤードを確保するには決して余裕のない広さでした。
この面積課題に対しては、「限られた建坪のなかでいかに動線を確保するか」が争点となりました。そこで当社は、サッカー台(袋詰め台)、空調・冷ケースの室外機、ゴミ庫、段ボール庫といった付帯設備を建物外に設置できるようコーナン様に調整いただき、承認を取り付けることに成功。限られたスペースでありながら、スーパーとして十分に満足できる機能を付属させることができました。
4. 双方の事業成長に寄与するWIN-WINの実現
数々の条件調整を乗り越えた結果、無事に「たこ一」様の出店を実現することができました。
オープンから時間が経過した現在、ヤマタ様からは「オープン特需が一段落した後も、堅調に売上が推移している」との嬉しいご報告をいただいております。また、コーナン様からも「スーパーの集客による相乗効果で、自店(本館)にも好影響が出ている」とのお声を頂戴しており、双方にとって事業性の高いマッチングとなりました。
まとめ
今回のように、「新築から居抜きへのスキーム変更」や、双方の事業背景を深く理解した上での「最適な落とし所の探求」を行うことで、ピンチを新たな事業機会へと変えることが可能です。
土地・建物の有効活用や、商業施設のリーシングに関する複雑な課題がございましたら、ぜひお気軽に弊社へご相談ください。豊富な実績をもとに、最適なソリューションをご提案いたします。

