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パチンコ店跡の建物活用と売却|“売りにくい大型物件”をテナント誘致で出口に導いた事例(回遊館 伊勢崎店)


パチンコ店跡の建物活用と売却は、土地・建物の規模が大きく、用途も特殊なため、「いざ手放そう・貸そうとしても相手が限られる」という壁にぶつかりがちです。この記事では、稼働していた大型パチンコ店を解体せずに建物を活かし、アミューズメント施設「回遊館」をテナントとして付けたうえで開発会社へ売却し、出口まで導いた成約事例を、当社(LUSIC)がどう関わったかとともにご紹介します。群馬県伊勢崎市の物件で、回遊館 伊勢崎店として2026年2月にオープンしています。


※本記事は守秘のため、テナント(回遊館)以外の当事者名・具体的な金額・契約条件は伏せ、役割名・定性的な表現で記載しています。

なぜ「パチンコ店跡」の建物活用・売却は難しいのか


パチンコ店のような特殊用途の大型物件は、住宅地や小規模店舗とはまったく事情が異なります。本事例でも、次のような“特殊用途ならではのハードル”が実際に論点になりました。



  • 規模が大きい……延床で数千坪規模になることも多く、ワンフロアで使い切れる事業者が限られます(本物件も延床数千坪規模)。

  • 用途が特殊……遊技場+立体駐車場という構成で、別の用途に転用するには用途変更や行政との協議が必要になります。本件では「立体駐車場部分をどう扱うか(容積緩和を受けている建物の整理)」が大きな検討事項でした。

  • 建物が残る……更地にするには多額の解体費がかかるため、「解体前提」だと買い手の負担が一気に重くなります。逆に言えば、解体せずに建物を活かせる出口(建物活用)を描けるかが、売却のしやすさを左右します。

  • 引渡し時の状態……パチンコ店特有の「島(しま=遊技機を設置する什器・基礎)」が残ると、その撤去費用を誰が負担するかが、後で争点になりがちです。


つまり、「買い手・借り手が限られる」「転用に手間がかかる」「引渡しの条件でもめやすい」という三重のハードルがあるのが、パチンコ店跡の建物活用・売却の難しさです。


本事例の概要



項目内容
所在群馬県伊勢崎市
元の用途稼働していた大型パチンコ店(遊技場+立体駐車場、延床数千坪規模)
売主事業再編で不採算店舗を整理していた事業者(法的整理=民事再生の手続中)
きっかけ事業者側の売却ニーズが、共同仲介を通じて当社に持ち込まれた
当社(LUSIC)の立場買主(大手開発会社)側の売買仲介と、テナント誘致・関係者調整
最終テナントアミューズメント施設「回遊館」伊勢崎店(ゲームセンターを核とする施設)
取得者大手開発会社(買主)
成果テナントを付けて開発会社が取得・売買成立。テナント候補の離脱や引渡し条件(島撤去費の負担区分)といった難所もありつつ、予定どおり決済・引渡しまで導いた。回遊館 伊勢崎店は2026年2月オープン

この事例の特徴は、「空のまま売る」のではなく「テナントを付けてから売る」という出口の作り方にあります(詳細は後述)。

成約までの流れ


パチンコ店跡の建物活用・売却は、一直線には進みません。本件も、相談から成約まで数年がかりでした。



  1. 事業再編による売却相談……売主は事業再編に伴い不採算のパチンコ店を整理する方針で、その売却ニーズが共同仲介を通じて当社に持ち込まれました。当社はまずテナント誘致に動き始めました。

  2. 用途のハードルを整理……立体駐車場を含む特殊な建物のため、当初検討していたテナント用途に向けて、用途変更について行政(市の建築指導課)との協議を行いました(このテナント計画は後に見送りとなりますが、物件が抱える論点を早めに洗い出す機会になりました)。設計の実務は設計会社が担当し、当社は協議への同席・論点整理・議事録の作成といった調整役を担いました。

  3. テナント候補の検討と離脱……当初は中古車販売の事業者などを候補に検討しましたが、後述の事情で離脱が続きました。

  4. テナントの確保……共同仲介と連携し、アミューズメント施設「回遊館」の出店ニーズを獲得。借り手が見える状態を作りました。

  5. 開発会社による取得と売買仲介……大手開発会社が買主となり、当社は買主側の売買仲介として契約・引渡しまでをまとめました。

  6. 引渡し条件の調整……売買そのものは予定どおり決済・引渡しまで進みましたが、その前後でパチンコ店特有の「島撤去費用」の負担区分が争点になりました。関係者間で分担を合意して着地させています(詳細は後述)。

  7. 成約・オープン……売買が成立し、回遊館 伊勢崎店が2026年2月にオープンしました。


この成約で価値になった3つのポイント


1. 「テナントを付けてから売る」で価値を高めた


特殊用途・大型の物件を“空”のまま売りに出すと、買い手は「貸せるのか」「いくらで回るのか」が読めず、評価が伸びにくくなります。本件では、先にテナント(回遊館)の出店を確保し、長期の賃貸借が見える状態にしてから売買に進めました。これにより、買い手が限られる物件でも、開発会社が取得判断をしやすい形に整えられました。


2. 関係者の間に立つ“調整・段取り役”を担った


特殊用途の大型物件は論点が多岐にわたり、長期戦になりがちです。本件で当社が一貫して担ったのは、立場の異なる関係者の間に立ち、連絡・段取りを切らさずつなぎ続ける役割でした。たとえば立体駐車場を含む建物の用途変更について行政との協議が必要になった場面では、設計の専門会社が技術的な検討を担い、当社は協議への同席・論点整理・議事録作成といった段取りを担当しました(この用途変更は当初検討していたテナント用途に向けたもので、最終的に出店した回遊館の前提ではありません)。設計や工事そのものを行うわけではありませんが、論点を整理し、関係者の間に立って前に進める役割が成約の確度を左右します。


3. パチンコ特有の難所「島撤去費」の負担を関係者調整で着地させた


引渡しの前後で表面化した「島撤去費用の負担」について、関係者の間で費用を分担する着地点を見つけ、取引をこじらせずに着地させました(詳しくは次章)。売買そのものは予定どおり進んでおり、後から認識のズレが出やすい引渡し条件をていねいに詰めた一件です。

つまずきポイント(正直にお伝えします)


成約事例というと順調に見えがちですが、本件は難所の連続でした。同じような物件をお持ちの方の参考になるよう、つまずいた点も率直に共有します。


  • ・改装費の負担が重く、当初のテナント候補が見送りになった……特殊用途の建物を別業態へ転用するには相応の改装費がかかります。当初検討していたテナント候補は、この改装費の負担が重く、最終的に見送りとなりました。
  • ・手続の長期化で、その後のテナント候補も離脱した……次に検討したテナント候補は、売主側の法的整理(民事再生)の手続が長引いた影響で、出店判断のスケジュールが見通せず離脱しました。「いつ引渡せるか」が確定しないと、テナントも事業計画を立てられないためです。
  • ・引渡しの前後で「島」が残り、撤去費の負担でもめかけた……パチンコ店特有の島(遊技機の設置什器・基礎)は、撤去に数百万円規模の費用がかかります。「契約書に細かく書かれていなかった」ことで、買主・テナント・仲介関係者の間で負担区分の認識がずれ、争点になりました。最終的に関係者で分担する形で合意して着地させています。なお売買そのものは予定どおり決済・引渡しまで進んでおり、この負担区分はその前後で詰めた論点です。

パチンコ店跡の建物活用・売却を「出口」に導くための考え方


最後に、本事例から一般化できる、パチンコ店跡の建物活用・売却を前に進めるためのポイントを整理します(ここからは個別事例の事実ではなく、一般的な考え方です)。


  • ・「売る」か「貸す」かを早めに決めすぎない……特殊用途の大型物件は、テナントを付けてから売る、賃貸で持ち続ける、更地で売る、など出口が複数あります。買い手・借り手の反応を見ながら、最も評価が伸びる出口を選ぶのが現実的です。
  • ・テナントの“見える化”が価値を底上げする……借り手が決まっている物件は、買い手にとって収益が読みやすく、評価が安定します。売却前のテナント誘致は、遠回りに見えて近道になることがあります。
  • ・用途変更・行政協議は「誰が・何を・いつまでに」を整理してから動く……転用の可否は行政協議の結果に左右されます。設計会社など専門家と連携し、論点を整理してから進めることで、手戻りを減らせます。
  • ・引渡し条件は最初に文書化する……島撤去のような特殊な原状回復・引渡し条件は、後で必ずもめます。「誰がどこまで負担するか」を契約段階で文書に落としておくことが、後々の契約トラブルを避けることにつながります。
  • ・長期戦になる前提で、関係者をつなぎ続ける……売主の事情(法的整理など)で時間がかかると、テナントや買い手が離れやすくなります。関係者を切らさずつなぎ続ける“間に立つ役割”が、成約の確度を左右します。

まとめ


パチンコ店跡の建物活用と売却は、規模・用途・引渡し条件のいずれもが特殊で、「売りたくても売りにくい」「貸したくても相手が限られる」物件の代表格です。本事例では、稼働していた大型パチンコ店に対し、


  • ・テナント(回遊館)を付けてから売るという出口の設計
  • ・関係者の間に立つ連絡・段取り役(用途の検討・行政協議などを含む)
  • ・パチンコ特有の島撤去費の負担調整


という3点で当社が関係者の間に立ち、テナント候補の離脱や引渡し条件の難所を越えて、開発会社への売買成立まで導きました。


「特殊用途の不動産を持っているが、出口が見えない」という土地・建物のオーナー様こそ、早い段階でご相談いただくことで、選べる出口が広がります。
まずはお気軽にご相談ください。


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