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  • パチンコ店跡地の土地活用|ロードサイド店舗を“更地で貸して”長期安定地代に|加古川・ドラッグストアコスモス加古川平岡店の成約ストーリー

パチンコ店跡地の土地活用は、「今も営業中」の段階から始められます


パチンコ店跡地の土地活用は、「店をたたんで更地にしてから考えるもの」と思われがちです。ですが実際には、まだ営業を続けている段階で将来の活用へ動き出す土地オーナーさまも少なくありません。郊外ロードサイドの大型店舗はそれ自体が好立地。だからこそ「今の事業を続けるか」「長期で安定した地代に切り替えるか」という選択が生まれます。


しかも現場では、オーナーさまが自ら探すより、出店したい事業者から「この立地を貸してほしい」と声がかかるかたちで話が動き出すことがよくあります。ただし持ち込まれるスキームは、まず提案する側の都合で組まれているのが普通。相手は「営業中の店舗」で、閉店のタイミングを誤れば収入の空白も延びます。だからこそ、関係者を束ね地主の手取りとリスクまで見据えて段取りする"取りまとめ役"の有無で、最終的な収支は大きく変わります。


この記事では、加古川市平岡の営業中だったパチンコ店が「ドラッグストアコスモス加古川平岡店」(2026年1月31日オープン)へ生まれ変わった成約事例から、パチンコ店跡地の土地活用の方法・メリット・進め方・注意点を解説します。


【事例】加古川・平岡のパチンコ店が「ドラッグストアコスモス」になるまで


舞台は、加古川市平岡町の幹線ロードサイド。もともとは営業中のパチンコ店で、立体駐車場を備えた大型店舗でした。前面にはバス停がある、集客力の高い立地です。この土地は、オーナーさま側で長く店舗事業に使われてきた場所でした。


きっかけは、オーナーさまの働きかけではありません。当初は別の事業者から居抜き出店の打診なども持ち込まれましたが、まとまりませんでした。オーナーさま自身は「店が赤字というわけでもない」と転換にむしろ慎重で、持ち込まれる提案を評価する側でした。


その後、好立地を高く評価したドラッグストアコスモス(コスモス薬品)が「ここは押さえておきたい立地だ」と出店に強い意欲を示します。私たちは、このオーナーさまとコスモスの間に立ち、条件交渉から契約、行政協議や現場対応の段取り・調整まで、当事者の間に立つ取りまとめ役として関わりました(行政協議・測量・開発許可の申請そのものは、専門の測量・設計会社が担当します)。


オーナーさまの内部では「本業を続けるか」「長期の安定地代に切り替えるか」が検討されました。自社で改装して使い続ける案は多額の再投資が必要だったこともあり、最終的に選ばれたのは、営業中の店舗を解体して更地にし、ドラッグストアへ30年規模で貸し出す「事業用定期借地」方式。店舗の運営はコスモスが担い、建物もコスモス側が建てます。最初の検討開始からオープンまでは足かけ約2年8か月(コスモスとの話が本格化してからは約2年あまり)。閉店・解体、行政協議、現場の想定外をひとつずつ越え、2026年1月31日に無事オープンを迎えました

パチンコ店跡地・ロードサイドの土地活用、主な3つの方式

ロードサイドの大型店舗跡を活かす方法は、大きく次の3つ。地主の初期負担・収益性・建物の所有関係が異なります。

方式地主の初期負担収益イメージ建物の所有向いている土地
事業用定期借地(更地で貸す)小〜中(既存建物の解体。協力金で平準化可)地代収入(長期で安定)テナント側が建てる営業中店舗跡・パチンコ店跡・ロードサイド
建て貸し(リースバック型)中(建築費が必要だが工夫で圧縮可)賃料収入(地代より高め)地主が保有跡地・駐車場・遊休地
売却なし一時金のみ(継続収入なし)手放す活用予定のない土地

建物を建てる負担は負いたくないが土地は手放したくない——そんな場合に向くのが事業用定期借地です。今回の事例で選ばれたのも、この方式でした。

営業中の店を閉めて貸す——だからこそ「取りまとめ役」が要る

今回いちばんお伝えしたいのは、ここです。営業中の店舗を活用へ切り替える話は、更地の活用より難しいのです。

最大の論点は「閉店」と「許認可」のタイミング。早く閉店すれば収入の空白が延び、許可が下りる前に閉めれば、計画が遅れたときのリスクをオーナーさまが負います。本事例では、地代が発生し始める時期を「開店日、または工事着手から一定期間が過ぎた日のいずれか早い日」とする契約設計にし、開発許可の進み具合と閉店・解体の段取りを連動させて、空白リスクを抑えました。

加えて、持ち込まれるスキームは提案する側に都合よく設計され、放っておくと費用や負担が地主側に寄ってきがちです。本事例でもオーナーさまの立場で、次のような調整を重ねました。


  • 解体・更地化の段取り:閉店から解体、更地での引き渡しまでを、許認可スケジュールと連動して管理。
  • 行政協議のサポート:敷地内の水路の付け替え(行政協議が必要な手続き)が円滑に進むよう、市の担当課・地元の水利関係者との連絡や工程を調整(協議・測量そのものは専門の測量・設計会社が担当)。
  • 契約面の整備:30年規模の借地契約を公正証書化する手続きを取りまとめ、地代の発生時期や解体協力金の扱いなど、後で揉めやすい条件を明確化。

「持ち込まれた話を、条件・タイミング・契約の細部まで踏み込んで整理すること」が、地主にとっての最大の保険です。

事業用定期借地で土地活用する「地主3つのメリット」


1. 建物を建てる初期投資が要らない


事業用定期借地では、店舗を建てるのはテナント側。地主は土地を貸すだけなので、建築費という大きな初期投資も、工事の遅れ・コスト増のリスクも直接は負いません。「土地はあるが建築に自己資金を投じるのは不安」という方に向きます。


2. 長期で安定した地代収入が得られる


ドラッグストアの事業用定期借地は、一般に10〜30年程度の長期契約が基本です。今回の事例も30年規模の契約で、契約期間にわたって毎月安定した地代が見込めます。景気や入居者探しに一喜一憂せず、長く収益を計画できます。


3. まとまった解体費を先に用意せずに済む


大型店舗の解体費は、土地オーナーにとって大きな心配ごとです。本事例では出店企業が拠出する解体協力金を解体費に充て、先に多額の現金を用意しなくてよい設計にしました。これは無償の補助ではなく将来の地代の中で返していくお金ですが、解体の資金繰りを平準化でき、営業中店舗からの切り替えで安心材料になります(実際の負担は契約条件により変わります)。


企画から開店までの流れ


パチンコ店跡地の土地活用は、思い立ってすぐ開店できるものではありません。今回の事例も最初の検討開始からオープンまで足かけ約2年8か月。大まかな流れは次のとおりです。


  1. 1.立地・商圏とスキームの精査:出店ニーズの有無と、どの活用方式が地主に有利かを見極める
  2. 2.テナントとの条件交渉・取りまとめ:地代・敷金・解体協力金・契約期間を、地主の収支が成立するよう調整
  3. 3.閉店・解体の段取り:営業中店舗の閉店から解体・更地化までを、許認可スケジュールと連動して計画
  4. 4.契約締結:事業用借地権の予約契約から公正証書まで、契約一式を組成
  5. 5.開発許可・造成・建築:開発許可(都市計画法29条など)の取得、水路付け替え・造成、テナントによる建築
  6. 6.竣工・引渡し・開店:検査を経てオープンへ


特に条件交渉・閉店と許認可の段取り・契約の組み立ては、地主お一人で進めるのが難しい部分です。


つまずきやすいポイントと、その乗り越え方


土地活用は、計画どおり一直線で進むとは限りません。今回の事例でも、いくつかの壁がありました。


  • 公簿と実測の面積差:登記簿上の面積と実測に差がありましたが、測量で正確な面積を確定。
  • 敷地内の水路の付け替え:行政協議が必要な手続きを、市の担当課・地元の水利関係者との協議を経て確定。
  • 現地で判明した進入路・隣地の課題:図面が固まった後、店舗の出入口(進入路)に関わる隣地の課題が判明。隣接地の地主さまのご協力を得て必要な進入路を確保するかたちで調整し、解決しました。
  • 地中障害物:解体・掘削の過程で古い構造物の基礎が見つかりましたが、撤去のうえ負担区分を整理して対応。

こうした想定外は規模の大きい土地活用では起こり得ます。だからこそ、現地や権利関係は着工前に徹底して確認しておくことが欠かせません(見落とせば計画の停止や追加の負担につながりかねません)。そのうえで、当事者の間に立って全体を調整する役割があれば、問題が生じたときの立て直しもしやすくなります。


まとめ:パチンコ店跡地の土地活用を「長期の安定地代」に変える


パチンコ店跡地をはじめとするロードサイド店舗の土地活用、とくに事業用定期借地(更地で貸す)方式は、建物を建てる初期投資が要らず、長期で安定した地代収入が得られ、まとまった解体費を先に用意せずに済むという、地主にとって魅力的な選択肢です。今回の加古川市平岡の事例が示すのは、営業中の店舗を活用へ切り替える話こそ、閉店と許認可のタイミング、契約、現場の想定外までを束ねる取りまとめ役の有無で、最終的な収支が変わるということです。


「自分の土地(店舗)はドラッグストアの活用に向いているのか?」「持ち込まれた話の条件は妥当なのか?」まずそれを知ることが、最初の一歩です。まずはお気軽にご相談ください。

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