2024.12.26
市街化調整区域での土地活用|できること・許可の取り方・成功事例を解説

市街化調整区域での土地活用|できること・許可の取り方・成功事例を解説
はじめに:市街化調整区域の土地も“活かし方次第”
「うちの土地は市街化調整区域だから活用できない」とあきらめていませんか?
たしかに、市街化調整区域は開発や建築が制限されるため、自由な建築は難しい地域です。
しかし、都市計画法第34条の開発許可制度や特定用途の活用方法を理解すれば、店舗・福祉施設・倉庫・資材置場など、収益を生む土地活用が可能です。
この記事では、
・市街化調整区域とは何か
・許可が下りる代表的な土地活用パターン
・実際の事例と注意点
を不動産開発の専門家である当社がわかりやすく解説します。
市街化調整区域とは?土地活用における位置づけ
市街化調整区域は、都市計画法により「無秩序な市街化を防ぐための地域」として指定されています。
そのため、原則として店舗などの新築・開発行為は制限されています。
ただし例外的に、地域住民の生活に必要な施設や、公益性が高い施設については、
都道府県知事の開発許可を受けることで建築が認められるケースがあります。
許可の根拠となるのが「都市計画法第34条」です。
この条文には、「地域に必要な店舗・施設」「産業振興に資する施設」「沿道サービス施設」などの条件が定められています。
沿道サービス施設での土地活用事例
上高地あずさ珈琲 大和高田店 様
セブン-イレブン神戸櫨谷町長谷店 様 / EneJet枦谷SS様 様
基本的には市街化調整区域で店舗・住居を建築することはできませんが、上記のように市街化調整区域に住んでいる人々の生活に最低限必要なものを販売・修理、その他の業務を行うための建物を建てる開発行為については、都道府県知事が開発許可を出す場合があります。
市街化調整区域で開発許可が下りるケースでは、都市計画法第34条第1号を根拠としています。観光や産業などを利活用するためにも開発許可を出す場合もあります。
行政毎に異なりますが、飲食店であれば、開発する土地の半径○キロ以内の近隣住民の戸数、開発する敷地面積、床面積、客席に制限が定められているケースがあります。
都市計画法第34条第9号に規定されている「沿道サービス施設」に該当する「休憩所(宿泊施設を含まないドライブインで利用できるレストランや喫茶店)」として建設許可を取得し、実現した誘致事例です。
このようなケースでは、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどの誘致が可能となる場合があります。
次に、高齢者施設(サービス付き高齢者住宅、住宅型有料老人ホーム)は立地条件・周辺環境を踏まえ、行政が必要と判断した場合、開発許可が下ります。
また、社会福祉施設(特別養護老人ホーム)も事前協議・届出をすることで同様に建築することができますが、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)と呼ばれる介護施設の建築については建築用途が「寄宿舎」もしくは「共同住宅」のため、原則不可となります。但し、市街化区域と隣接した区画の土地であること、建築予定地から半径○m以内に既存の同様施設が無いこと、連携の取れる病院施設が周辺にある等の場合、行政毎に建築可能になる場合もあります。
旧都市計画法第43条(既存宅地制度廃止後)に関する土地活用事例
南海スズキ富田林営業所 様

赤枠部分が拡張スペース予定地
既存宅地制度の廃止前に建築していたものは、都道府県の開発審査会の基準等により建て替え、拡張が可能です。(ただし、同規模、同用途、同種の構造である必要があります。)南海スズキ富田林営業所様のように建て替えにともなう事業所の拡張をするために隣地を取得する可能性がございます。
その他、市街化調整区域の土地活用
市街化調整区域では、建築物を必要としない土地活用も多く見られます。企業の資材置場、車両置場、倉庫、駐車場、太陽光発電システムなど。
資材置場としての土地活用
資材置場は周辺で資材の置場に困っている会社がいる場合があり、大型トラックが出入りするケースが多いため、全面道路の幅員が広い土地が好まれます。
整地が不要なケースも多く、初期投資が掛からないため、土地活用しやすい方法ですが、注意点としては、地目が田や畑の場合には、農地転用の届出が必要です。
車両置場としての土地活用
次に運送業の車両置場用途で使用する際に、敷地内に営業所を建築しようとしても、基本的に建築することができませんが、例外として設置可能な場合があります。
市街化調整区域は無秩序な市街地の拡大が進まないよう市街化を制限しているため、都市計画法34条に基づいた開発許可を得るか、営業所をトレーラーハウスにすることで設置可能になります。トレーラーハウスは建築物とみなされないため、都市計画法等の規制を受けないで営業所を設置する方法です。
常時、移動可能であることが必要となり、電気水道等が容易に使用出来る等の要件に適合する必要があります。
但し、設置しようとする場合は事前に行政へ確認をする必要があります。
特定流通業務施設としての土地活用
市街化調整区域は、特定流通業務施設として土地活用出来るケースもあります。
「特定流通業務施設」とは、物流総合効率化法に定められた一定の要件を満たし、認定を受けた物流拠点施設のことをいいます。
総合効率化計画の認定を受けるためには
・2者以上の者が連携すること
・流通業務(輸送、保管、荷さばき及び流通加工)を一体的に実施すること
・輸送網の集約、モーダルシフト、配送の共同化等の輸送の合理化により流通業務を効率化すること
・物資の流通に伴う環境への負荷の低減に資すること
・流通業務の省力化を伴うものであること
が要件となります。
また、行政毎の開発要件を満たすことも条件となります。
・対象地が物流センターが高速道路インターからの距離が5キロ以内であること
・当該地までに2車線以上あること
・歩車分離されている道路環境等の条件をクリアできていること
・敷地3,000坪の土地があること
で物流施設を実現できる可能性が高まります。
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