2024.09.04
不動産投資として商業施設の選び方や投資における重要なポイントを解説
はじめに
商業施設の不動産投資は、高い収益性を期待できる一方で、成功のためには市場の深い理解と戦略的な判断が求められます。
不動産投資をお考えのみなさまに商業施設の選び方や投資における重要なポイントを解説します。
商業施設の不動産市場の概要
商業施設市場の現状とトレンド
近年、商業施設の不動産市場は、都市化の進展やライフスタイルの変化に伴い、大きな変動を見せています。
特に、商業施設、物流施設、ホテルなどは、地域の経済活性化の要として注目されており、その影響力はますます拡大しています。
参考:
わが国の不動産投資市場規模(2023年)~「収益不動産」の資産規模は約289.5兆円(前回比+13.9兆円)。前回調査から「賃貸住宅」・「商業施設」・「物流施設」・「ホテル」が拡大する一方、「オフィス」は縮小
「ニッセイ基礎研究所」より
市場分析によると、地方都市での商業施設開発が増加傾向にあり、都市部では、再開発プロジェクトとともに新しい商業施設が次々と誕生しています。
これらの施設は、ただの買い物の場にとどまらず、エンターテインメントやコミュニティスペース、インバウンド集客としての役割を担うようになっています。
地域別の市場動向
地域によって商業施設市場の状況は大きく異なります。
例えば、首都圏では、駅直結の大型商業施設が人気ですが、地方では、地域住民の生活ニーズに合わせた中小規模の商業施設が好まれる傾向にあります。
また、人口減少が進む地域では、空きテナント率の上昇が課題となっており、商業施設の運営にはより慎重な計画が必要になってきます。
地域別の市場動向を把握し、適切な物件を選ぶことが、商業施設向け不動産投資を行う場合に重要な要素となってきます。
商業施設の利回りと資産価値
商業施設の不動産投資においては、利回りが非常に重要です。
商業施設は、その規模や立地、テナント構成によって利回りが大きく異なります。
例えば、都市部の大型商業施設は安定した収益を見込める一方で、利回りは比較的低めとなることが多いです。
一方、地方の中小型施設は高い利回りを期待できる反面、リスクも大きくなります。
都市型大型商業施設の利回りが比較的低くなる主な理由
1.立地の優位性:
都市部の一等地にある商業施設は、非常に高い需要があります。
こうした場所は、安定したテナント収益を確保できるため、空室リスクが低くなります。
この安定性は投資家にとって魅力的ですが、物件価格が高騰する要因ともなり、結果として利回りが低くなる傾向があります。
言い換えれば、リスクが低い分、投資に対するリターン(利回り)は相対的に低く抑えられます。
2.資産価値の上昇期待:
都市部の大型商業施設は、将来的な資産価値の上昇が期待されます。
資産価値が上昇する見込みが高い場合、投資家は長期的な利益を見込んで購入価格を引き上げることがあります。
これにより、初期投資額が大きくなり、利回りが低くなる傾向があります。
3.安定したテナント構成:
大型商業施設は、大手チェーン店やブランド店など、信用力のあるテナントが多く入居しています。
こうしたテナントは長期的に安定した賃料を支払う傾向があるため、空室リスクが少なく、投資の安全性が高いです。
この安定性は、投資リスクが低いため、期待される利回りが担保される理由の一つです。
投資を検討する際には、単に利回りだけでなく、将来的な資産価値の変動も考慮に入れる必要があります。
例えば、都市再開発の計画があるエリアや、人口増加が見込まれる地域にある商業施設は、長期的な資産価値の上昇が期待できます。
このような市場動向をしっかりと把握し、投資の判断を行うことが重要です。
地方型商業施設投資物件の利回りが比較的高くなる主な理由
1.リスクの高さ:
地方の中小型施設は、都市部に比べてテナントの入れ替わりが多く、空室リスクも高くなります。
また、地域の経済状況や人口動態の影響を受けやすいため、収益の安定性が低い場合があります。
こうしたリスクがあるため、投資家はより高い利回りを求める傾向があります。
2.資産価値の減少リスク:
地方の商業施設では、地域経済の変動や人口減少により、物件の資産価値が減少するリスクがあります。
これにより、将来的なリターンが不確実になるため、初期投資の際には高い利回りが要求されることが一般的です。
3.テナントの多様性:
地方の中小型施設では、テナントの規模や多様性が都市部に比べて小規模になるケースもあります。
特に地域に依存した店舗や、小規模なビジネスがテナントとなることが多く、賃料収入が安定しにくいです。
このため、投資家はリスクを補うために高い利回りを求めることになります。
4.投資家の規模と注目度:
都市部と比べて、地方の商業施設には大手投資家が参入しにくく、競争が少ない傾向にあります。
そのため、物件の価格が抑えられ、結果的に利回りが高くなる場合があります。
商業施設の種類と特徴
商業施設の多様なタイプ
商業施設にはさまざまな種類があり、それぞれに特有のメリットとデメリットがあります。
例えば、大型ショッピングモールは、一度に多くの集客が期待できる反面、管理コストが高く、テナントの維持にも注意が必要です。
逆に、ロードサイド店舗はアクセスが良く、比較的低コストで運営できますが、周辺の交通状況に大きく依存するためリスクもあります。
オフィスビルタイプの商業施設もまた、近年注目を集めています。
特に、都市部の再開発エリアでは、オフィスビルに商業スペースを組み合わせた物件が増えており、ビジネスマンをターゲットにした店舗が集まることで、高い収益性を確保しています。
各タイプの商業施設のメリット・デメリット
商業施設の種類ごとに、その特徴を理解することは、投資を成功させるために不可欠です。
例えば、ショッピングモールの場合、多くのテナントが集まるため、分散投資の効果が期待できます。
しかし、大規模な改修が必要な場合のコストが高くつく点や、空きテナントの発生による収益低下リスクも無視できません。
一方、ロードサイド店舗は、車でのアクセスがしやすく、特に郊外では人気があります。
周辺に競合が少ない場合は、安定した収益を見込めますが、逆に新しい競合店舗が出現すると、売上が急激に落ち込むリスクがあります。
オフィスビル内の商業施設は、主にビジネスマンをターゲットとした業態が多いため、昼間の集客には強い一方、夜間や休日の売上が伸び悩むことがあるため、その点を考慮したテナント構成が必要です。
商業施設の選び方と不動産投資を成功させるための戦略
ロケーションの重要性
商業施設に限らずですが、物件のロケーションが最重要ポイントになります。
良いロケーションにある商業施設は、集客力が高く、テナントの維持も容易です。
特に、駅前や主要な交通拠点に近い物件は、高い評価を受けることが多いです。
また、周辺の人口動態や消費行動の変化も考慮に入れる必要があります。
例えば、子育て世代が多い地域では、家族向けの店舗が多いショッピングモールが適しています。
一方で、ビジネス街に位置する施設では、ランチタイムに強い飲食店や、仕事帰りに立ち寄りやすい店舗が求められます。
テナント選定のポイント
商業施設の成功は、どのようなテナントを誘致するかに大きく依存します。
テナントミックスを最適化することで、施設全体の魅力が向上し、集客力が高まります。
例えば、家族連れをターゲットとする場合、子供服店やおもちゃ店、カフェなどを組み合わせると効果的です。
また、テナントの多様性も重要です。
競合他社との差別化を図るために、地元の人気店舗やユニークなコンセプトを持つ店舗を誘致することが求められます。
これにより、他の商業施設との差別化が図れ、リピーターを増やすことができます。
成功事例の分析
投資を考えている物件に似た条件などを参考に、成功事例を分析するのも大事なポイントの一つです。
成功している商業施設には共通点を見つけることが出来るかと思います。
例えば、ある地方都市で成功したショッピングモールは、地域住民のニーズに合わせたテナント構成と、頻繁に開催されるイベントによって、集客力を維持する活動をしているなど。
また、施設内に地域密着型のコミュニティスペースを設けることで、地域との関係性を強化し、長期的な運営の安定性を確保しています。
特に地域特性や消費者の行動パターンを理解した上での施設運営が、商業用不動産物件を検討するにあたり、重要となってきます。
商業施設投資におけるリスクと対策
賃貸空室リスクの管理
商業施設投資において最も懸念されるリスクの一つが、賃貸空室リスクです。
特に、テナントが退去した場合、新たなテナントを迅速に見つけることができないと、収益が大きく減少する可能性があります。
このリスクを軽減するためには、様々な業種のテナントにヒヤリングし、複数の業種からの需要を確保することが重要です。
また、賃貸契約の内容を柔軟に設定し、短期契約と長期契約をバランスよく組み合わせることで、リスクを分散することができます。
施設の老朽化とその対策
商業施設は、時間とともに老朽化します。
この老朽化によって、施設の魅力が低下し、テナントや顧客の離脱を招くリスクがあります。
老朽化のリスクを管理するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
具体的には、設備の更新や外観のリニューアルを計画的に行うことで、施設の魅力を維持することが重要です。
また、新しい技術やトレンドを取り入れ、施設のアップデートを行うことで、時代に即した施設運営が可能になります。
周辺開発計画による影響と対応
商業施設の周辺で新たな開発プロジェクトが進行する場合、競合施設の出現や交通状況の変化など、さまざまな影響が考えられます。
これらのリスクに対処するためには、地域の開発計画に常にアンテナを張り、適切なタイミングで対応策を講じることが求められます。
例えば、周辺に新たな競合施設ができる場合は、施設の強みを再評価し、テナントミックスの見直しや、集客イベントの強化を図ることが考えられます。
また、交通状況の変化に対応するために、アクセスの改善や駐車場の拡充を検討することも重要です。
商業施設投資におけるまとめ
商業施設への投資は、高いリターンを得られる可能性がある一方で、リスクも伴います。
しかし、適切な戦略と綿密な計画を立てることで、そのリスクを最小限に抑え、収益UPを見込むことが可能です。
まず、投資を始める前に市場の調査を行い、地域特性や消費者の動向をしっかりと把握することが重要です。
次に、物件選定では、ロケーションやテナントミックス、将来的な資産価値を考慮した上で判断を下すことが求められます。
また、投資後の管理運営においては、テナントとの信頼関係を築き、施設の価値を維持するためのメンテナンスを怠らないことが重要です。
さらに、リスク管理を徹底し、外部環境の変化に柔軟に対応することで、長期的な収益向上が見込めるかと思います。
最後に、常に最新の情報を取り入れ、不動産投資は長期的な視点が求められるため、焦らず計画的に進めていくことが大切です。
また、複数店舗出店実績を基本としたテナント様へのネットワークを活用することで、より多くの候補者に物件をアピールすることが可能です。
テナント誘致は、不動産経営において非常に重要な要素です。
ご自身の土地建物を活用し、収益化アップをお考えのオーナー様はぜひ一度、当社へお気軽にお問い合わせください。
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