土地活用の匠

アミューズメント施設の誘致は、大きな建物をそのまま活かす土地活用

アミューズメント施設の誘致は、大きな建物と広い駐車場をもつ物件の土地活用として、有力な選択肢になります。パチンコ店の閉店や、ホームセンターなど大型店の退店で建物が空くとき、解体して更地にする前に、建物をそのまま使って出店したい企業を探す方法です。

近年は、クレーンゲームを中心としたアミューズメント施設の出店が続いています。こうした業態は、広い床と駐車場を求めることが多くあります。他の業種では使いにくかった大きな建物が、出店の条件に合いやすいのが特徴です。

この記事では、当社が関わり、実績紹介ページで公開しているアミューズメント施設の成約事例のうち、パチンコ店とホームセンターの建物を活かした4件をご紹介します。所在は福岡県・香川県・大阪府・群馬県です。

アミューズメント施設の誘致と、ほかの活用方法を比べる

大きな建物が空くときの主な選択肢を、貸主の初期負担と収益の入り方で整理しました。

活用のかたち貸主の初期負担収益のかたち本記事の事例
既存建物をそのまま貸す(アミューズメント施設)引渡しの状態と改修の費用負担区分による賃料収入①③
借りている建物を、残りの期間だけ別の企業に貸す(転貸)引渡しの状態の取り決めによる転貸による賃料収入②
テナントを付けて、建物ごと売却する引渡しの状態の取り決めによる売却代金④
解体して更地で貸す(事業用定期借地)解体費地代収入—
解体して更地で売却する解体費売却代金—

アミューズメント施設は、内装や設備を自社で整えて出店する企業が多い業態です。建物を大きく作り替えずに賃貸できれば、貸主の初期負担を抑えられます。

また、建物を借りて営業している事業者様が退店するときは、残りの契約期間を後継テナントに貸す「転貸」という方法もあります。転貸には建物の貸主様の承諾が必要ですが、退店する事業者様は残りの期間の賃料負担を、建物の貸主様は空き店舗になる期間を、それぞれ抑えられる可能性があります。

【実績】アミューズメント施設の誘致・成約事例4件

写真をクリックすると、実績の詳細ページが開きます。


① 福岡県宗像市/パチンコ店として使われていた建物 ─ 施設売却のニーズから、テナント誘致へ




アミューズメントパーク万代宗像店(万代様)


この事例のポイント — お客様の「施設売却」というニーズを出発点に、親密先企業様と共同で始まったプロジェクトです。売買価格の見直しを機に「それなら合うのでは」と、テナントの誘致を本格的に再開しました。施設はその後、親密先企業様が取得されています。

当社は、既存建物の床面積の規模と駐車台数を活かす方針を立て、営業担当者による現地調査や行政への確認と、地元のテナント企業様への誘致を重ねました。一方で、建物は増築のときにしか検査を受けていないこと、岩綿吹付材についての知識が求められること、敷地内に社宅の跡が残っていて事業用借地になじまないことなど、検討すべき条件があり、再活用の担い手が決まるまでに時間を要しました。

論点が整理されたころ、当社から別件でお取引のあった仲介会社様に物件をご案内し、その仲介会社様のご提案を通じて、万代様とのご縁が生まれました。そこから一気に誘致・開業へと進んでいます。当社は、現地のご案内、仲介会社様を介した貸主様と万代様の間の条件の取り次ぎ、賃貸借契約書と重要事項説明書の作成を担当しました。アミューズメント施設の営業に必要な風営法の届出は万代様が行い、届出に必要な建物の使用承諾書は貸主である親密先企業様が発行しています。開店時は大盛況となり、投資会社への売却も進んでいます。



所在福岡県宗像市
前の用途パチンコ店
次の用途アミューズメント施設
案件の入り口施設売却のニーズ(親密先企業様と共同で開始)
テナントとのご縁別件でお取引のあった仲介会社様を通じて
活用のかたち既存建物を賃貸(施設は親密先企業様が取得)
OPEN2026年7月


② 香川県高松市/ホームセンターとして使われていた建物 ─ 退店後の建物を、転貸でアミューズメント施設に




アミパラ屋島店(アミパラ様)


この事例のポイント — 建物を借りてホームセンターを営業していたコーナン様から、転貸先を誘致してほしいというご依頼をいただいた事例です。

当社はアミューズメント施設を展開するアミパラ様に物件をご提案しました。アミパラ様からは、既存の設備をそのまま使えることや、自社競合時における物件の応用性を評価いただき、前向きな出店意向をいただいています。

一方で、昨今のクレーンゲームブームの過熱を受けて、コーナン様の社内には先行きを慎重にみるご意見もありました。そこで、今後の事業の継続性を担保する条件として、アミパラ様に「契約全期間における不解約」をご承諾いただき、合意を形成しています。転貸に必要な建物の貸主様の承諾は、コーナン様が取得されました。当社は、検査済証の有無の行政確認、現地のご案内、重要事項説明書の作成など、出店のご検討から引渡しまでの調整を担当しました。風営法の許可はアミパラ様が取得され、許可に必要な建物の使用承諾書は、建物の貸主様からコーナン様を通じて発行されています。



所在香川県高松市
前の用途ホームセンター
次の用途アミューズメント施設
案件の入り口借主のコーナン様からの、転貸先誘致のご依頼
活用のかたち借りている建物を、建物の貸主様の承諾を得て転貸
OPEN2026年9月


③ 大阪市福島区/閉店するパチンコ店 ─ 建物を解体せず、クレーンゲーム専門店に賃貸




オタイチポップワールド 大阪福島店(イーグル様)


この事例のポイント — パートナー企業を介して、パチンコ店を運営してこられた企業様から、店舗の拡大統合による既存建物の活用のご依頼をいただいた事例です。オーナー様は、建物を解体せずに定期建物賃貸借で貸す方針を決めておられました。

当社は物件概要書を作成し、建物の大きさと駐車場を活かせる業態の企業様に幅広くご提案しました。そのなかで、倉庫系のクレーンゲーム専門店を展開し、大阪への出店意欲が高かったイーグル(オタイチポップワールド)様にて成約しています。遊技機を撤去したうえで、そのほかは現状のまま引き渡す条件です。

パチンコ店の繁忙期の営業を確保するため、閉店の直前まで営業を続け、閉店から引渡しまでが非常にタイトなスケジュールでした。当社は、出店のお申込みの受付、条件の取り次ぎ、賃貸借契約書の案と重要事項説明書の作成、引渡しまでの日程の調整を担当し、無事開店に至りました。



所在大阪市福島区
前の用途パチンコ店
次の用途アミューズメント施設(クレーンゲーム専門店)
案件の入り口パートナー企業を介した、既存建物の活用のご依頼
活用のかたち既存建物を解体せずに賃貸(定期建物賃貸借)
OPEN2026年5月

この事例は、遊休不動産の活用とは?店舗の閉店で空いた建物を“解体せず賃貸”で活かした成約事例でも詳しくご紹介しています。



④ 群馬県伊勢崎市/売却相談を受けたパチンコ店 ─ テナントを付けて、開発会社が取得




回遊館 伊勢崎店(回遊館様)


この事例のポイント — お取引先から、事業再編に伴う不採算店舗(パチンコ店)の売却のご相談を受けた事例です。物件は立体駐車場を備えた大型の建物で、当社はまず、テナントの誘致に動きました。

当初のテナント候補は、売主の民事再生手続きに伴う長期化の影響で離脱しました。そのなかで、共同仲介者と連携し、西日本で展開している大型クレーンゲーム専門店から、関東で初めての出店用地としてのニーズをお預かりしています。借り手が見えたことで、開発会社に物件の取得を実現いただきました。当社は、開発会社様にこの物件をご提案し、買主側で売買の仲介を担当しました。

買主とテナントとの引渡しの状態の調整では、パチンコ店特有の「島撤去費用」の負担区分が争点になりました。当社も買主側の立場で協議に加わり、関係者の間で着地点を見いだして破談のリスクを回避し、決済・引渡しへと進めました。



所在群馬県伊勢崎市
前の用途パチンコ店
次の用途アミューズメント施設(大型クレーンゲーム専門店)
案件の入り口お取引先からの、パチンコ店の売却のご相談
テナントとのご縁共同仲介者との連携
活用のかたちテナントを付けて、開発会社が取得
OPEN2026年2月

この事例は、パチンコ店跡の建物活用と売却|“売りにくい大型物件”をテナント誘致で出口に導いた事例でも詳しくご紹介しています。



4つの事例からわかる、アミューズメント施設誘致の3つのポイント

1. 大きな床と駐車台数が、そのまま出店の条件になる

4件とも、もとの建物は大型のパチンコ店かホームセンターです。広い床と駐車場は、他の業種には大きすぎることがありますが、クレーンゲームを中心としたアミューズメント施設にとっては出店の条件に合いやすい規模です。①では床面積と駐車台数を活かす方針を立て、③では幅広い業態の企業様にご提案し、大型の建物をそのまま使う業態で成約しました。②では、既存の設備をそのまま使えることが、出店企業様の評価につながっています。建物の規模に合う業態を先に見定めることが、誘致の近道になります。

2. 「売る」「貸す」「借りている建物を貸す」のどれでも誘致できる

①は売却のニーズ、④は売却のご相談、③は既存建物の賃貸、②は借りている建物の転貸から始まりました。入り口が違っても、出店する企業が決まれば、建物を活かした活用の道が開けます。④では、テナントのニーズをお預かりできたことが開発会社による取得につながり、①では、テナントを迎えたあとに投資会社への売却が進んでいます。

3. 紹介者・共同仲介者との連携で、物件とテナントの出会いが広がる

③はパートナー企業から物件のご紹介をいただき、当社がテナントをご提案しました。①は別件でお取引のあった仲介会社様、④は共同仲介者から、それぞれテナントとのご縁をいただいています。当社は、こうした関係先と役割を分けながら、①では仲介会社様を介した条件の取り次ぎと賃貸借の契約書類の作成、④では買主側の売買仲介を担当しました。

アミューズメント施設の誘致を進めるときの注意点

1. 建物の法令上の確認を早めに行う
アミューズメント施設の出店では、建物の用途や検査済証の有無が論点になります。②では検査済証の有無を行政に確認し、①では増築時にしか検査を受けていない建物であることが、担い手探しの論点になりました。

2. 引渡しの状態と費用負担区分を、早い段階で取り決める
パチンコ店の建物では、遊技機や「島」と呼ばれる設備の撤去が論点になります。③では遊技機を撤去し、そのほかは現状のまま引き渡す条件で合意しました。④では島撤去費用の負担区分が争点になり、関係者の間で着地点を見いだしています。

3. 建物を貸す側の懸念は、契約条件で解消する
②では、転貸するコーナン様のクレーンゲームの先行きを慎重にみるご意見に対し、「契約全期間における不解約」という条件で合意を形成しました。

4. 閉店する店舗は、営業のスケジュールに合わせて段取りを組む
③は、パチンコ店の繁忙期の営業を確保しながら後継テナントを決めた事例です。閉店の直前まで営業を続け、閉店から引渡しまでのタイトなスケジュールのなかで調整を進めました。

5. 風営法の手続きと、建物の所有者様の承諾を段取りに入れる
クレーンゲームを中心としたアミューズメント施設の営業には、風営法の届出や許可が必要です。手続きは出店企業様が行いますが、建物の所有者様が発行する使用承諾書が必要になります。②では、許可の申請から警察による現地確認までに日数がかかり、その時点で店舗が完成している必要があることを、出店企業様と事前に確認していました。開店日は許可の時期で決まるため、引渡しと内装工事の日程は、この手続きから逆算して組み立てます。

ご相談から開店までの流れ

1. ご相談:建物の売却・賃貸・転貸など、お考えの方向をお聞きします。
2. 物件の確認:建物の規模、駐車台数、検査済証の有無、法令上の論点を確認します。
3. テナントのご提案:建物の条件に合う企業様にご提案します。紹介者・共同仲介者と連携することもあります。
4. 条件の調整:賃料、契約期間、引渡しの状態などを、貸主様と出店企業様の間で取り次ぎます。
5. 契約・引渡し:重要事項説明書の作成など、契約から引渡しまでの調整を行います。
6. 開店:出店企業様が内装を整え、開店されます。

まとめ|アミューズメント施設の誘致による土地活用は、大きな建物の強みを活かす

アミューズメント施設の誘致は、パチンコ店やホームセンターなど、大きな建物と広い駐車場をもつ物件の土地活用として選択肢になります。

・大きな床と駐車台数が、クレーンゲームを中心としたアミューズメント施設の出店条件に合いやすい
・売却・賃貸・転貸のどの入り口からでも、出店する企業が決まれば建物を活かせる
・法令上の確認、引渡しの状態、建物を貸す側の懸念への対応を、早い段階で取り決める

建物の解体や売却を決める前に、まずはアミューズメント施設をはじめとするテナントの誘致を検討してみてはいかがでしょうか。物件の条件を確認したうえで、活用の方向をご提案します。

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