社員BLOG

「取引実績のあるお客様をずっと良好にリレーションする」。言葉にすれば、当たり前で簡単平易な鉄則ですね。しかし、なかなかできていないのが実態ではないでしょうか?

私もかつて新人の時に「既オーナー(大和ハウスの事業部内の用語で、過去に取引実績のあった地主様)をフォローしなさい」と、時の上司から指示を受けました。

過去に先輩方が土地活用の成約をされましたが、退職や転勤などでしっかりとリレーションがなされていないお客様を訪問し、既契約物件の諸課題に対するメンテナンスや相談事を受けることを目的とするものです。

新規の取引先開拓の合間に立ち寄るような営業活動でした。知識のない私でも、既契約の内容を事前に調べて「あの案件は特に問題はないですか?」と話題にすれば、人間関係がまだ希薄でも訪問しやすいので、新人の営業活動にはうってつけかもしれません。

一つに思い出深いケースで、医者家系の地主様がおられたのですが、社内資料を調べると過去に三棟ほど土地活用をいただいたお客様ですが、現在は退職や転勤で誰もフォローされていない方でしたので上司からも訪問の指示がありました。

社内資料に登録されている住所に何度も訪問するものの、門前払い。それを日報に記録すると「既オーナーから門前払いされてどないすんねん」と叱責されました。持ち前の我慢強さで何度か訪問を継続しました。

夜訪でインターホン越しに「ご主人はおられますか?何時にお戻りですか?」と応対されたお手伝いさんに問うと「午前様です」とおっしゃるのです。

はっ!と気づきました。かなりウィットに富んだ表現だったのですが、母屋に何度も訪問しており、もう先代先生はお亡くなりになられていたのです。

母屋の向かいの離れの家屋があるのですが、そこのインターホンを押すと診察終わりの現当主先生が「あー、よく来てくれてたみたいだね」とようやく面談ができたという話なんですが、会社には取引先名や住所は登録があるがきちんと引継もされてないと、指示する上司も今お客様がどういう状態で、どこに何時頃に行けばお会いできるのか?というとこまで細かく把握できていないケースが多いとわかります。

結果、そのお客様からは、その後、「立ち退きが終わる用地があるので活用方法を考えてほしい」と引き合いをいただき店舗付き賃貸マンションの建築受注を3年生の時にいただきました。

工事請負契約の際は、新しく赴任したその時の事業部長をお連れし「お久しぶりです」との20年振りの対面です。お客様との最初の仕事の担当者の事業部長が新人だったときなんです。まさに「既オーナーを訪問しなさい」という鉄板の営業結果でした。訪問してなければその仕事は積水ハウスさんになっていたでしょう。

顧客フォローにちなんで、最近当社にこんな話がありました。

私の長年の取引先の社長が会長になり、社長が変わった案内がお歳暮のお礼状と共に届きました。おそらく新社長は甥っ子さんだと推察しました。後継者が役員で入社されておられるとは少し耳には入っていましたが私は面識がありません。情けないですが、実績顧客のリレーションの大切さは語っているものの、フォローの仕方や効能まで細かく社員に指示ができていないがために、お客様の環境変化を長年把握できていないことが露呈した瞬間でした。

今年のテーマは「伝承」です。ノウハウやナレッジを標準化して、均質で質の良いサービスをお客様に提供していけるように再チャレンジ、体質改善をしていく所存です。

本年もよろしくお願いいたします。

↓アーカイブ↓
【VOL.21 営業は「自動車」か「徒歩電車」か】

【VOL.22 あなたもリーシングざむらいに!】

【VOL.23 細部に宿る 商売だましい】

【VOL.24 新型コロナ緊急事態終了】

【VOL.25 喝~ 心に響け~ Vol.2】

【VOL.26 商業施設のリニューアルプロセス】

【VOL.27 喝~ 心に響け~ Vol.3】

【VOL.28 商業施設のリニューアルプロセス~中盤編~】

【VOL.29 商業施設のリニューアルプロセス ~完成編~】

【VOL.30 目標設定】

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